記憶 ―砂漠の花―


片方の親の色が出る場合と、混じる場合とがあるらしいが、混ざって表せない色…
つまり『黄』の血の方が魔力は強いらしい。


そして、力を持たない人間とウィッチのハーフが存在する。
血は混ざり、色は薄れていく。

大昔から何世代にも渡り…、
薄れ、薄れて…、


「彼らが『白』。今は色を持つウィッチの数の方が少ない。マルクも『白』だ!」

今までサザエルで会ったウィッチは全員そうだった。
彼らが、マルクが色を欲する…力を欲する事は分かった。



「次に、肝心の『紅』だが…」

青、黄、など原色の中でも一番強い力が『赤色』。

その赤の中でも、より珍しい力が『紅色』らしい。

ハーフでも紅の血は濃く、なかなか力は損なわない。


ならば今の時代でも子孫が多く残っていてもおかしくはないと思うのだが…。

しかし、赤は赤…。
『青』と交われば『紫』に…。

そして、それ以前に…
紅い巨大な力の大きさ故に、自我を失い命を落とす者も多いという。


「…こんなところかな?分かったか?」

「じゃあ、例えば…『紫』と『緑』の子供は…どうなるの?混じると…」

アズが恐る恐るそう聞いた。