きっと…
アズをなくしたら拠り所のない私は、その気持ちを誤魔化して、『妹』というこの位置に居座り続けようとしていたのだ。
今なら分かる。
私は、ずるいんだ。
どんな形でもいいから、
アズと一緒にいたかったんだ。
…嬉しい…。
声を出すまいとして、喉を押し殺した行き先のない切なさが、
涙となって私の瞳を濡らした。
…ドクン、ドクン。
鼓動が、おさまらない。
私の感情の強さに、
体内の血が、ざわめき出す。
まるで、私の体が全身で喜んでいるかのよう…。
私は二人に見つからない様に、小刻みに震える自分の肩を抱き締めた。
私は…、
こんなにも愛されている。
独りじゃないんだ…。
でも…
アズの深い愛に、
答えていいのだろうか…?
今は…、まだ駄目。
旅に集中しなくちゃ…。
じゃあ、いつ?
この旅が終わったら。
無事に、ラルファへと辿り着いたら…。
その時は…、
アズに、言おう…
『私も、好き――。』

