「その島って…?」

タビが少し落ち着いたのを見計らって、アズが質問した。


「サザエルの3島、サイル、ゴザ、エッジとは別の島というわけか?」


タビが少し考えて、ぽそっと囁く。


「たしか…、りゅ…。りゅり島?」

「ルリ島かっ!」

先生が、片手を唇に当て神妙な面持ちで考え込む。


「まいったな…リフィルが話したのか?王家のみが知っている『隠された島』だ。強い魔力で守られていて外部からは瞬間移動出来ない。城の地下、通称『開かずの間』の魔方陣からしか行けないな…」

「…どっちにしろ、サイルの城に行くしか方法はないわけか…。」

「あぁ…。」

キースと先生で今後の道すじを立てていく。



「タビちゃん。…母上…その人の他に、その島にはアイリと同じくらいの女の人はいなかった?」

アズが口を開くと、思い思いに考え込んでいた皆が注目する。


「アタシ、お庭だけにいたかりゃ…お家には入っていにゃいから何とも言えにゃいのだけりぇど、多分。気配は感じにゃかったわ…。」

「そうか…。やはり、もう…」

アズはそこで言葉は止めたけれど、

あの時に死んでしまったのか…?

そう肩を落とした。