「これから、たくさん学べばいい!素直に自分の否を認め、多くを吸収出来る人ほど、大きく成長する人間だと私は思う。」

「はい…、先生。」

アズはしっかりとした瞳で頷いた。


まるで、父上がもう一人いるみたい。
この人なら…、
曲がりくねった誤った道を進むこの国を、必ず建て直す。
そう確信した瞬間だった。



「さぁ、もう少しで街に入る。我らの隠れ里といったところかな?」

そう言って、先生は再び魔力を自ら『封印』し、先頭を歩き出した。


その後ろ姿を追いかけて、


「…砂漠にぽつりと咲く赤色の一輪の薔薇…。うまい事言うね~、先生ー!」

と、アランが石畳を駆けていく。


「たくさん学べよ?全て今後のラルファの為になる。」

「あぁ!そうだな。」

キースに頭を力一杯ぐしゃぐしゃと撫でられているアズが頷いた。


その2人に連れられたラオウとレンは、彼らなりに互いに感想を述べていた。


ヒヒィン…!
『アズは、この旅でまた成長するぜ~!さすが俺のアズだな!』

『何!僕のアイリだって!ねぇ~アイリぃ?…ぐはっ!』

後ろにいる私に首を伸ばしていたレンの引き綱は、キースが歩く方向へと引っ張られ、衝撃を受けたらしい。