私は、そんなアズに言葉を掛けた。
「自分を責めないでね?アズ。ラルファのウィッチ人口知っているでしょ?私たちの国では、魔術は主流じゃないの。私も普段は国では使用してなかった…」
…ぁ…。
先生の魔力が、
手を通して私に侵入してくる。
私の血は、それを拒否しようと騒ぎ出した。
私は、それを止める。
先生は安全だから、
受け入れてもいいの…。
…緑の魔力が、
中に、胃に入ってくる…。
私の手を通じ、何かを探っていた先生が、私に魔術を送り、印を付ける。
「これが、証…?」
私が問い掛けると、先生は私の手をそっと離した。
「そう。果実酒にかけた魔術は弱いものだからね。ウィッチ相手では、やはり効かなかったようだ。特にアイリさん相手じゃ余計にね。」
特に、私相手じゃ…?
先生は、今度はアズの目を見て告げる。
「アイリさんはね、綺麗な『赤色』…。まるで、砂漠にぽつりと咲く一輪の薔薇だね。お国柄は、どうにもならんさ、アズくん。」
アズの肩をポンポンと叩き、励ます。

