翌朝――、

城に戻った私たちは、父上に予想通り絞られた。

特にアズは、
『お前には、次期国王の自覚が足りない!』
と、説教の時間は私の倍だった。

――…だから言ったのに。



太陽が真上に昇る前に剣術の稽古は行われる。

私の部屋の窓の一つから、その様子が見下ろせる。

その中には当然アズの姿もあった。


「あ…、稽古の時間に間に合ったか…」

私は部屋で勉強の時間。
薬を調合しながら、それも程ほどに外ばかり眺めていた。


「……姫…。」

怒りますよ、と言わんばかりにマギーが睨んでいた。

「……はい…。」

可愛らしく肩をすくめて見せると、マギーは講義に話を戻した。


マギーは、私の勉学や魔術など、あらゆる事の先生で彼女もまたウィッチだ。
もう100歳近い老女で物知りだ。

数少ない仲間で、私も大好きなお婆ちゃん。



ウィッチは先代の国王、つまりアズのお祖父ちゃんの時代に急激に数が減った。


―――ウィッチ狩り、

大人も子供も、赤ん坊ですら命を奪ったという。
25年程前の話だ。

国王が戦で亡くなって、父上が国王になってからウィッチ狩りは廃止された。

それも私が生まれる前の話だ。