「え…!?まさか、この地下道はリオンさんが作ったの?」
「リオンさんて、ウィッチだったんですか!?」
私とアズは、目を見開いて声をあげた。
もし、ウィッチなら…
その血に隠れた、体から滲み出す魔力を、私は感じ取れるはずなのに…。
でも、リオンさんからは何も感じなかった。
…どうして?
だって、
瞳の色も、髪の色も、
力を持たない人の色。
そして、血まで見抜けない。
それは、完全にウィッチではないと判断するでしょう。
リオンさんは、固まる私たちを見て笑った。
「分からなくて当然。普段は自らを『封印』している、完全に。場合によっては自分で『解除』している。」
『封印』、『解除』。
聞いた事はある。
実際を見る事は、やはり初めてだった。
ラルファでは、ウィッチ狩り後に、これらは禁止されていた。
でも、
こんなにも、分からないなんて…
「リオンさんて、すげ~人だったんだ!」
「普段は剣術、ここぞという切り札が魔術ですか…?尊敬します!」
アランとアズが興奮する。

