「お、岬ッチじゃん。あ、遠山も一緒だ。」



窓から呆然と見ていた私の隣にしゅうちゃんが来る。


「…しゅうちゃん、みほちゃんと岬ッチっていつから?」


聞きたいけど聞きたくない。


そしてあの光景は何でもないよって言って欲しい。





お願い言って。



「え〜?いつだろ?」


「………。」


「夏休み中、遠山が部活帰りに岬ッチを呼び出したんだよ。まぁどっちみちあいつら両想いだったし、岬ッチにも早く告れって言ってたしなぁ。」


「しゅうちゃん帰るぞ〜。」


「おぉ〜。じゃあな、高木。」


「………バイバイ。」







バイバイって、私言ったのは覚えてない。


何もかも、





覚えたくないことばかり。