「まっす…、何か涙出てくる。」 「え〜!?目に虫入った!?」 「……そうかも。」 悔しくて泣いたなんていくら友達のまっすでも言いづらい。 自分でも馬鹿みたいって思うもん。 虫のせいにして、ボロボロ流れる涙を何度も拭いた。 「ハンカチあるよ?」 まっすが心配そうにハンカチを差し出して、そしてようやくゆっくり自転車置き場に歩いて行った。 一歩ずつ、ゆっくり、 私の勇気も、ゆっくり進んでくれたらいいのに。