片想いだったね



玄関でようやくはき慣れたローファーを履いて、自転車置き場に歩いて行く。



グラウンドから聞こえてくるサッカー部の掛け声、



そして野球部の声が混ざって聞こえてくる。



岬ッチの姿を遠くで見る。



カッコいい…。


カッコ良すぎる…。



何でこんなに胸がギュッてなるくらい岬ッチが好きなんだろう。



無意識に足が止まって、つい野球部を見てしまう。



「………。」


「……美紀。」



まっすが早く行こうと言っているのは耳で聞こえるも、頭に入ってこない。



本当に身体が固まったみたいに足が動かない。









「もう一本お願いします!」



遠くてもわかる岬ッチの声、


さっき、頭の中にインプットしたよ。



岬ッチの声、





すぐわかるようになったよ。