ステージの裏で待機していた皆で【楽しく】という、私達のモットーの一つである言葉を皆で言い合った。
そう、楽しく。
楽器が楽しくてこの場所を選んだから、
皆といると楽しいからこの場所を目標にしたから。
各自楽器の場所に座り、かなり広いホールで息が漏れそうなほど緊張する。ライトを浴びてかなり暑い。
そして顧問が会場にいる客席達に頭を下げて私達と向かい合い、指揮棒で合図をして私達は顧問の指揮を真剣な眼差しで待つ。
この時の為に。
この瞬間の為に。
顧問の指揮棒が、ステージで舞った。
私達の目標と夢が始まったのだ。



