「………私ね、夏に地区予選出るの。土日も休みは無いし、部活終わるのも遅くなると思うんだ。だから……。」 「…………………。」 だから待っててって、 何故か言葉が出なかった。 「しばらくは一緒に帰ったり出来ないから…。」 こんな言葉を言いたいんじゃないのに。 岬ッチは、ただただ黙って傘を持って歩いていた。 雷はもう鳴っていない。 だけど私の心の中は雷が鳴って怯えている同じ心境なんだよ。 私の不安は、消えてくれない。