「ねぇ、みっちゃん。あの人名前なんて言うの?」 「え?う〜んとね…。」 窓際に座っていた男の子がピクッと動いて、顔を上げた。 ゆっくり目が開いて、 ドア越しで覗いている私達に顔を向けた。 「岬雄介だよ。」 …さきゆうすけ……。 岬ッチと私が、初めて目が合ったあの日。 生まれて初めての感情、 沸き上がるこのドキドキ。 私の生まれて初めての恋は、一目惚れという状況から始まったんだ。