「うわ、超ビビった…。」
と、さすがの岬ッチも読んでいた漫画をパタンと閉じて苦笑いしていたが、私は口を開けたまま動けないでいた。
「おい?お~い?」
と、頬をペシペシ叩かれて、岬ッチが私の頬を触れたことの喜びを感じる前に私は通常なフリをするのに必死だった。
「あ…あぁ。凄かったね。うん…。」
岬ッチは固まる私にプッと笑って、雷雲が去るのを窓を見ながら待っていた。
遠くなっていく雷の音に、さっきよりも弱くなってきた雨音。
これくらいなら帰れるかなとは思うけど、正直さっきの雷が引きずり、完全に足元がビビって動けないでいる私。
「どうやって帰るの?」
岬ッチがバス?と聞いてきて、私は
「お財布持ってきてないから傘差して自転車で帰る。」
と、答えたら岬ッチは
「またさっきの雷来たら完全に転ぶね。」
と、さっきの私の姿を思い出し笑いしていた。



