「今年のバレンタイン、みほ、岬ッチにチョコあげてるんだよね。それが最初どういう意味か知らなかったけど。三年になって、みほと岬ッチ同じクラスになったじゃん。私もC組だから見たくなくても見えるんだよね。」
「……………………。」
「最近仲良く話してるし、しかも修学旅行もずっと同じ班じゃん。岬ッチはわからないけど、みほは確実に岬ッチのこと好きなのバレバレだし。」
「……………………。」
「アンタ、もう少し頑張った方が良いんじゃないの?みほは……、アンタの事別に嫌いじゃないみたいだし、奪い取ろうとは思ってないと思うけど。」
「………応援してんの?私に。」
「………別に。アンタと岬ッチが別れたら翼はまたアンタと仲良くなるじゃん。それが気に入らないだけだし……。」
「惚れてますね~!」
「………悪い?私…、こんなんだから翼と無理なのわかってるけど、好きなの止められないし。」
「……………………。」
内容は重くて、正直受け入れたくないことばかりだ。
鳴り止まない警報が間違っていなかったし、曖昧で微妙な岬ッチの態度がこれで確信したのも苦しかった。
でも、
「景子って悪い奴じゃないんだね。」
「は?カンチしないで?自分の為だし。翼をアンタに取られたくないだけだし。」
語尾を伸ばすと翼と同じ話し方で話す景子は、どれほど翼を見てきてどれほど翼が好きか伝わってくる。
「そういうことだから。まっすに邪魔してごめんて言っといて。」
「あら、謝れるのね。景子ちゃ~ん。」
「……うっざ。」
「私も一年の時ごめんね。」
「……覚えてないし。」



