「優しいじゃん。」
「なんだよ。」
初めて岬ッチとじゃれる。
「忘れ物無い?」
「あったら置いておいて?」
と、ジョークで言うものの、一応忘れ物が無いか周りをキョロキョロする。
二人上着を着て、部屋から出て階段を降りていく。
居間にいるお母さんにお邪魔しましたと声をかけると、送っていくよ?と言ってくれて、岬ッチがいいからと照れ臭そうに答えていた。
アハハと笑って玄関でブーツを履いて、外に出た。
さっきよりも雪が強く降っている。
バス停まで意外と距離があったから、なんだか悪い気がして岬ッチに声をかける。
「ここで良いよ?」
「五メートルだけしか歩いてないよ?」
と、岬ッチが引き返すことなく並んで歩いてくれる。



