「来るの早くて焦った。」
え?と思いながら部屋にある掛け時計を探して時間を見ると、12時50分だった。
「あ、ごめん。あのバスに乗らないと次乗るのが1時半過ぎちゃうんだ。」
「………………。」
まずかったかなと、なんだか気まずい。
「外ね、雪降ってたよ。寒かった。」
とりあえず話題を作ろうとなんとなく世間話をしてみる。
「………うん。」
岬ッチは相変わらず私の顔を見て話してくれない。機嫌悪いのかな……。やっぱり早く来すぎて嫌だったのかな。
「部屋………。」
「え?」
岬ッチが下を向きながら言っていた。
「部屋…、汚いから掃除してた。全然片付く前に来たから焦ったし。」
「………汚くないよ。」
「………汚いから。」
どうしよう。
凄い胸がキュンキュンなる。
私の為に掃除してたんだ。



