居ないとは思わなかったけど、まさか出てくるのがお母さんだと思わなくて、思わず外の玄関で固まってしまう。
「あの……岬…、雄介君いますか?」
思わずサキッチとお母さんの前で口に出しそうになったが、お母さんはニコッと笑ってどうぞと家に入れさせてくれた。
「雄介~!お客さん!!」
と、リビングからお母さんが大きな声を出して岬ッチを呼んでいる、と、バタバタバタ!と慌てて階段を降りてくる足音を聞いてビックリする。
玄関に岬ッチが慌てて私の前に現れ、
「………こっち。」
と、誘導してくれる。
居間から二階に上がる階段なので、ソファーに座っていたお母さんにお邪魔しますと頭を下げて岬ッチの後を歩いて階段を上る。
階段が上がると二つあるドアの手前を開けて、
初めて入る岬ッチの部屋にドキドキした。



