「悪いけど、そうやって悲劇のヒロイン顔ぶっても岬ッチは動かね~よ。アイツ元々積極的じゃないし~。みほの時だってそうだったし~。」


今まで流されてた分、今日翼の言葉にはやたらと的についてて逆に焦りを感じる。


わかっている。


見てきたからわかっている。


活発なみほちゃんがグイグイ攻めて一緒にいたのもわかってはいたけど、一緒にいる岬ッチは何処か楽しそうなのも知っていた。


あんな風になりたかった。


二人乗りしている姿に、何度も自分と置き換えた。


悔しくて泣いた、でも、なれなくてもっと泣いた。


でもようやく恋人同士になれたのに、想い描く理想の二人になれない。


そもそも自分から動いたわけじゃない。やっぱり何処か遠慮してしまうのも本音だった。