もう少しで終業式で、そのあとは春休みに入る。翼には悪いけど、直ぐに返事を出せるほど私は決断は早くない。
岬ッチの存在を好きな人じゃないとまだ思えない。
翼の存在を好きな人とまだ思えない。
ただ誰とも気まずくなりたくない。このままでずっといたい。
こういう所が男と女の境界線が無かったあの頃がたまらなく戻りたい。子供だったあの頃が、
今も子供のくせに懐かしい。
制服の揺れるリボン。
少しだけ短くなったスカート。
汚れがついた靴のローファー。
初めてされた男の子からの告白。
大人の階段を確実に上がっていた。



