学年で一番、二番にカッコいいと言われている翼。
ただ王子様でも憧れる存在でも無い。
左耳に空いたピアス、ワックスの匂いをなびかせる染めた茶色い髪。タバコも吸ってる、喧嘩もしている。
性格も明るく嫌味は無いけどチャラい。頭も悪いし、よく授業をサボっているみたい。
――――…幼稚園からずっと好きだった。
だけど潮時だと思ってる。
光るピアスを輝かせて悲しい笑顔で教えてくれた、まっすへの翼の言葉がたまらなく切なかった。
そんな簡単に忘れられることが出来るの?私をからかってない?
嬉しい動揺の後に押し寄せる不安感。
好きな人と存在の枠に翼が入っているのかもまだわからない。



