「美紀、返事は~?」 下駄箱の位置で翼の言葉だけしか聞こえない。 「お~い。」 「わかんないっ、わかんないっ!!」 ローファーを、急いで拾ってまっすを置いて玄関に出てしまった。 「美紀待ってっ!!」 追いかけてくるまっす。 はや歩きで歩く道を、少しだけ振り向く。 肩で背負った鞄、ズボンのポケットに手を突っ込み、距離が遠くなる私とまっすを見たまま動いていなかった。