片想いだったね



卒業式が無事に終わり、在校生も帰りのHRをしたら自由なので、卒業生を見送ったり帰ったり教室に残ったりで、皆バラバラに過ごす。


私とまっすは教室に残り、窓から卒業生と在校生のやりとりを見ていた。



「卒業しちゃったねぇ…。」


まっすがボソッと卒業生達の姿を見ながら寂しそうに言う。


「……うん、あ、沢先輩だ。」


沢先輩が友達と楽しそうに校門まで歩いて行く姿を見届ける。


寂しいなぁ。


もう学校に来ないんだもんなぁ。







「俺がいるじゃ~ん?」

「うわ、翼っ!てか私声に出てた?」

「出てた出てた~。」



翼が私の横に立って一緒に窓の外を見る。