「今の翼君でしょ?やっぱり付き合ってるの?」
隣のクラスの子が聞いてきた。
「……付き合ってないよ。たまたま会っただけ。」
「翼といつから?」
同じクラスの子が聞いてきた。
「別に…。初詣に会ってから喋るようになっただけだよ。」
バスが来るまで同級生から質問攻めをされてはキチンと答えた。
悪い気がしなかった。
「好きなの?」
の、質問をしてきた言葉に反応して、うつ向いていた顔を思わず見上げる。
「……好きじゃないよ。」
「ふ~ん。」
その質問をしてきた子は、
昔翼と噂になった子、
翼と同じクラスの景子という目がキツい女の子だった。
冬の痛いくらい感じる温度を、刺すような視線と一緒に私の肌を冷たく感じさせた。



