「その前にバレンタインか。美紀はあげないの？」





バレンタイン。


思わず反応して手が止まる。



「あげるって、岬ッチにあげれるわけないじゃん。みほちゃんいるのに。」


みほちゃんは特別仲が良いわけじゃない、だけど同じ班になれば仲良く話すし嫌いな部分なんて何にも無いもん。


だから邪魔なんてしようとも思わない。


悲しいのは付き合ったって聞いた時からだもん。悔しいとは思えないくらいみほちゃん可愛いし。







「美紀～。バレンタイン誰かにあげる予定～？俺、絶賛受付中～。」

「貰う相手沢山いるんでしょ？別に私のなんて要らないじゃん。」



語尾を伸ばして馴れ馴れしく話しかけてくる男子の声。



「翼、毎回毎回休み時間来すぎ。」