私の気遣い虚しく、あやぽんはしゅうちゃんとばかり話している。
緊張し過ぎて喋れないと諦めたのか、せっかくいる翼の方を全く見ないで私は何故か翼とばかり話していた。
「ピアス、痛くないの?」
「痛くないよ~。俺男の子だし~。」
「どうやって開けたの?」
「後ろに消しゴム当てて、安ピンでブチッとね~。まだまだ開けるし~。」
「……絶対痛いよ。」
想像しただけで痛みを感じそう。思わず耳を押さえる。
「あ、竜先輩はっけ~ん。」
翼が仲の良い先輩なのか、会話の途中でその場から居なくなってしまう。
てことは、
岬ッチと喋れるチャンスが来てしまった。



