右手で動く器具をスライドさせて音階を調節していく。
素人だからこそ、わかる音を吹けると嬉しくてたまらなくて、楽譜に吹く音階の数字を書き込みわかりやすく努力する。
「高音出すとき足、ピーン!って上がっちゃう。」
「あはは。美紀いつも上がってたのソレだったんだ。」
「高音難しいなぁ。」
「頑張って練習しよう。」
「うん、頑張る。」
まっすとお互い支え合い、優しい先輩達も協力してくれ、一年同士はとにかく必死に頑張った。
少し早いけど、
今吹いてる合奏は卒業式に演奏する、別れの曲だから。
上手になって、沢先輩や他の先輩達を送り出したかったから。



