片想いだったね



いつもと同じ時間が流れていく。


授業中、岬ッチのことを考えるのは、やっぱり変わらない。


体育の時間に岬ッチを目で追うことも変わらないし、部活中野球部を見ることもいまだに変わらない。


時折、目が合うような気もしていたけど、そんなの自分の願望なことくらいわかっていたから嬉しさは込み上げてこなかった。


変わったことと言えば、




いつも一緒に野球部を見ていた沢先輩がとうとう引退をしてしまった。




「皆さん、ありがとう。これからも楽しく仲間を想う気持ちを忘れずに。」




沢先輩が引退した日は、自分を含めてほとんどの人が泣いていた。



最後まで、かっこよくて最後まで、憧れは消えなかった。