俺の中で疑惑が確信へと
変わり始めてる時期に

突然、それは起きたのだった



5時間目、学活の時間に
担任の先生が一言、

「これから席替えをします、
くじ引きで決めるので、出席番号の一番から来て下さい」


その一言で、
クラスは驚きと喜びに
ざわめいた


「今のままで良いのに…」


俺がボソッと呟いたのを
あいつが聞いていて


「どうして?席替えは楽しいよ?」


と、聞いてきたが


俺は何も言えなかった


あいつは俺の気持ちを知らない…


ただ、それだけで
普通の楽しみが消える



そんなことに納得出来ない
俺が居たからだ



あの、
無邪気な質問に苦しむ俺は

バカとしか言いようがない


そんなことを考えてると、あのあいりが
「ゆうじ〜!!順番来てるって!!」


「あっ、ごめん」


そうして、席をたった俺は先生が持つ段ボール箱に手を入れた


無造作に折られた紙を開くと「16」と書いてあった


席の順番は
前から横に1、2、…と
なっていて
「16」は1番後ろの席だった


「また後ろかよ…」

と、なえてる俺にあいりが指を指して笑ってる


いつもなら、つっこむが

それよりもあいつの席が気になって

うるさい笑い声も聞こえない

帰ってきたあいつに
「何番だった?」

と、聞くと

「12番だよ、隣じゃないけど同じ班だね」


その答えに
胸の中の不安が無くなった気がした


そして、元気がでたので
「あいり!!笑うな!!」

と、つっこんだ





何気ない日常、
何気ない席替えに
不安と喜びが入れ代わる



こんな日常も悪くないな…