〔おっ、なーんか可愛い子連れてきたじゃん。〕

案内してやるよとか言いつつ、連れてこられた場所はカラオケだった。
カラオケくらい知ってるんだけどな。私そんなに田舎者に見えたの?!


〔てかうちんとこの制服じゃん。1年?〕

〔ビンゴ。小梅ちゃんっていいまーす。〕


勝手に私の名前を紹介したこのナンパ野郎は2年の先輩。そしてカラオケの部屋の中にいるのは3年の先輩らしい。(カエルに似てるからカエルと呼ぶことにしよう。)
ナンパ野郎が勝手にべらべらと話していた内容によると、このカエルに女を連れてくるように命令されたのだという。


〔っつーか、ハルまだ来てない感じっすか?〕


どうやらまだほかに人が来るらしい。
なんかめんどくさそうだな…どうにかして途中で抜けよう。


〔あー、さっきそろそろ着くって連絡が…あ、〕

『せんっぱーーい、かわいこちゃん連れて来たよ!二人も!』

「…ぇ」


勢いよくドアを開けた人物は、例の"有名人"、私の後ろの席の山田くんであった。