思わず、見惚れてしまう。
「・・・血。」
「・・・へ?」
なんて間抜けな声だ。
「血の匂いが・・・する・・・」
「た、たぶん、向こうに倒れてる人達のだと・・・」
思います。はい。
「・・・違う。もっと・・・甘い匂い」
「あ、甘い匂い?」
何だそれは。
そもそも、血に甘いなんてあるのだろうか。
「お前から・・・する」
・・・え、
「甘い・・・血の匂い・・・」
そういうと、その男は
私の手を強引に、ひっぱり
先ほど、切った指を、まるごと。
そう、まるごと口に含んだ。
・・・・・・・・・・・は!?
クチュ・・・ピチャ・・・。
いやらしい水の音が響いた。
「ッ、」
痛い、痛い痛い。
熱い熱い、熱い。
体の奥から熱いものがこみ上げて、
痛覚が痛い痛いと泣く。
