ドンッ


勢いよく振り返り、走り去ろうとしたのと同時に、

顔面に、衝撃が走った。



え、何、壁!?壁にぶつかったの!?


・・・って、硬い壁にぶつかって無事なわけがないか。



・・・じゃあ、私、

何にぶつかったんだろうか。



ゆっくりと目を開ける。

目の前には、青色のラインが入ったネクタイ。

一年生は、赤色のラインだ。

てことは、二年生?


そんな事を、考えていたら


「・・・す・・・る・・・」


「・・・え?」


相手が何か呟いた。

何なんだと思い、上を見上げた。


「ッ、」


朱い、紅い、赤い。

真っ赤な炎のような、血のような、

鮮やかな、赤い髪。

少し長い前髪からは、綺麗な瞳が見えた。


・・・美形、だ。