ビクッとした。
誰もいないと思ってた
教室に人がいたから。


声の方に振り向いた。



「…………キレー」


「え?」


やばい、
思わず声が出てしまった!
どうしよ、どうしよう

だって人間ってことを
疑うくらいキレーなんだよ

私があたふたしてるとこを見て
その人は笑った。


「女の子なんですから…
スカートでパタパタするのは
やめた方がいいですよ…?」


そう言ってそいつは
クスっと笑って
教室を後にした。


それが私と



菊地裕太の出会い―――