「椎ちゃん、椎ちゃん!」


いつも通りの朝、教室に向かうと

学級委員長が一枚の紙を持ってあたしに近づいた。


「クイーン、椎ちゃんにきまったから‼」


…は?


思わず心の中でそう呟いて学級委員長を見つめた。


「毎年恒例の文化祭のメインイベント!クイーンとキングのクイーン役が椎ちゃんになったの!全校投票で圧倒的に多かったんだから♪」


く、クイーン?


全く分からないんだけど。


「クイーンって…なに?」


恐る恐る聞くと、ビックリしたように目を見開く委員長。


あり得ない、とでも言いたそう。


「クイーンって言うのは簡単に言うと可愛い子が全校で一人だけ選ばれるの。で同じくキングも一人」



へえー…


心の中で納得して頷く。


「ちなみにキングは徹也だよ♪二人って何気にお似合いだよね!」



徹也…?


委員長の言葉に目を見開く。



徹也とは、あの日屋上で見た以来会ってない。


ただ、噂で

たくさんの女の子と寝たと聞いた。