「偶然だね♩椎ちゃんに会うなんて」


まるで、最初から会うことが分かってたみたいに俺に笑いかけた。


こいつの、一つ一つに恐怖に似たものを持つ。


きっとサヤは初めから分かってた。

椎がここに来ることを。



ーーーー……


「あー、面白かったねっ」


映画が終わると館内を出て、外の空気を思いきり吸い込む。

そして椎のことを聞こうとした時



遠くの方でみてはいけないものをみる。


それを見たとき、どうしようもない後悔が俺を襲う。





椎と綾斗がいた。