お願いだから、抱かないで




「徹也…」


誰もいなくなった屋上でポツリ呟く。


仕返ししてやる!


あたしはそう誓って屋上を後にした。



―――……



「綾斗くーん!」


「あ、椎ちゃん」


屋上から帰ってきてすぐに、その人に近寄る。


語尾にハートを3つくらい付けた甘ったるい声で話すあたし。


って言っても綾斗くんの周りには沢山の女子。


女子からの痛い視線が突き刺さる。


「また告白?」


そんな時に綾斗くんはにこり笑いながらあたしに聞く。


女子の目線も気づかずにそんな質問するなんて、やっぱり綾斗くんは抜けてるな。


そんなところもかっこいい!なんて一人で思ってニヤニヤする。


「ううん。……あ!」


否定したときに同時に思い出したこと。


「片桐徹也って知ってる?」