お願いだから、抱かないで




ムリヤリやるようなヤツを好きなんて、ありえない。


それにあたしが好きなのは――綾斗くん。


だから


「お願いだから、泣き止んでよ…」


気づいたら生暖かいものが頬を伝ってた。


なんで泣いてるんだろう。


自分でも分からない。


分からないよ…



あたしが自然と向かってたのは保健室だった。


もう授業は始まってるし、こんな顔で教室は入れない。


今のあたしには泣き止むことで精一杯だった。