お願いだから、抱かないで




女の子といるの……?


見てはいけない。


分かってるのに


手が先に動いた。



「っ」


ちょっとだけ開けた扉をすぐに閉じた。


徹也は…女の子とキスしてた。


あまりにもはっきりと見たので、脳裏に映像が焼き付く。


「違う…違う!」


そしてもうひとつ脳裏に浮かんだ単語を必死にかき消した。


だけど消してはまた浮かんでくる。


“徹也を好き”



そんなこと、あるわけないのに。


必死に頭を揺すって涙を堪えた。