お願いだから、抱かないで




あの子…同じ学校の子かな?


ため口だったし、同い年?


うーんと頭を悩ませる。


「そろそろ出ようか?」


そんなとき、綾斗くんがあたしの顔を覗きこむ。


ハッとしてスクリーンを見ると、もう映画は終わったみたい。


急いでカバンををとって立ち上がる。


「ごめんね、ぼーっとしちゃったみたい」


あははと笑って出口に向かう。


今日のあたし、絶対おかしい。


そう思いながらも何度も首を左右にふった。