お願いだから、抱かないで




「ちょっとおトイレ行ってくるね」


そう言ってあたしは席を立った。


なんか自分を見てるみたいでイヤだった。



――――――……


「ふぅー…」



適当に館内を歩いて時間を潰す。


あたし、綾斗くんとのデート楽しみにしてたはずだったのに、なにやってるんだろう。


もう一周しようかな。


そう思ったとき。


「椎……?」