「やっぱり映画館は混んでるね」


「うん」


映画館に着くと、そこには既にたくさんの人。


正直こんなにいると、嫌気がさす。


「椎ちゃん…大丈夫?」


あたしはあまりにも顔をひきつらせていたのか、綾斗くんが控えめに話かけてきた。


ダメだ、ダメ。


こんなんじゃ、綾斗くんに迷惑かかるよね。


あたしは大丈夫、だけ言うと綾斗くんに笑いかけた。