「椎ちゃんおはよう」
「あ、おはよう」
教室に入ると挨拶されるので、得意の愛想笑いで返す。
またダルい1日が始まるな、なんて思いながら教科書を机に入れる。
「椎ちゃん」
呼ばれて振り向くと、綾斗くんの姿。
「あ、綾斗くん。どうしたの?」
さっきよりもワントーン高い声で答える。
朝から綾斗くんと喋れるなんて、ラッキー!
「明後日さ、暇かな?」
「え?」
「映画、観に行かない?チケット二枚あるんだけど」
突然の綾斗くんの誘いに、思わずきょとんとする。
これって…綾斗くんとデート?
「う、うん!行こう」
綾斗くんから誘われてるのに断るわけないじゃん!