「きっとアイツ、待ってるから。 オマエからメールくるの、待ってるから」 寂しげに笑うと、正樹はもう行く、と言って歩き出した。 いつの間にか、目の前には電車が来ていた。 友美が……待ってる? もしかして、友美に何かあったのかな…? 「菜々」 名前を呼ばれて前を見ると、 「がんばって」 正樹におでこにキスをされた。 「なっ!?」 真っ赤になっておでこを抑えるあたしおいて、電車は出発してしまった。 正樹は電車の中から楽しそうに手を振りながら、見えなくなった。 「……バカ正樹」