だって、しょうがないじゃん!!



正樹以外呼んだことないんだからさぁ……




意を決して、あたしは小さな声で彼の名前を呼んだ。



「……み、みずき…///」



消えそうな声だったけど、瑞希は満足したかのように頷いた。



「ん。」



しかも、嬉しそうに笑ったんだ。



ただ……名前を呼んだだけなのに……




……あっ。



そういえば、正樹もそうだったかも……。



初めて名前呼んだとき、嬉しそうに…はにかみながら笑ったっけか。




……正樹……。




やっぱり……忘れられないよ…




「……菜々?」



瑞希から心配そうな声がでたけど、あたしはなにも気にしなかった。




これから……大切な人になっていくことに、



今のあたしはまだ、気づかずにいた……