聞いちゃいけない……
そう思ってあたしは保健室に背を向けた。
「オレに弱音はくなよー。だったら、菜々ちゃんにはいてくれる?」
――えっ!?
あたしがいるの、バレてる!?
ダッシュで逃げようとしたけれど、それよりも早く保健室のドアが開いてしまった。
「ねっ?菜々ちゃん♪」
「あっ……ははっ…」
きっと今のあたしは、笑えてない。
笑えるわけがない。
「……菜々?」
保健室の奥から聞こえた瑞希の声に、あたしの顔は強張る。
怒られるのかな……
「だいじょーぶ。瑞希は、こんなんじゃ怒らないよー」
「えっ……」
上を見上げると、まぶしいくらいの笑顔の瞬くんがいた。

