海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

優しい声音で言われて、顔が赤くなった。


鏡も無しに自分の顔見るなんて出来ないけど、今絶対顔赤い……


「桐生?」


「あ、あの………私は何歌えばいいんですか……?」


桜土君と目を合わせにくくて、やや俯き加減で言った。


桜土君のピアノ聴きたくて歌うのOKしたけど…やっぱり話すの恥ずかしい……


しかもよく考えれば、今2人っきりだよね!?


アワワワ……緊張がもはやピークです私ぃ!!


「―――…桐生」


桜土君に呼ばれて、私は目だけ上げようとした。


だけどアゴを指で挟まれ、顔全体を上げさせられる。