海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

その内放課後になり、私は第2音楽室に急いでいた。


どうしよう…!先生に用事頼まれちゃって、少し遅れちゃったよ………!!


桜土君、怒ってるかな?――怒ってるよね、きっと……


ハァハァ息を切らし、第2音楽室の扉を開いた。


「あっ、桐生!よっ☆」


音楽室の机に腰かけ窓の外を見ていた桜土君が、右手を上げた。


わ、笑ってる…?


「あの桜土君…遅れてごめんなさい……先生に用事を頼まれちゃって……」


頭を下げながら謝ると、桜土君は慌てて私の方にやって来た。


「謝んなよ桐生…先生に頼まれちゃ断れないよな……」