海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

ピアノ……桜土君、習ってるんだ………


だからあんなに上手なのね…うん、納得しました。


「桐生の都合も考えずに勝手に決めてごめんな?用事無い日教えてくれたらその日に合わすよ」


本当にすまなさそうに謝る桜土君に、こっちが悪い事した感覚になってしまった。


別に桜土君は私の事嫌な目に遭わそうとか、そんな事思ってるワケじゃないのに………


こんなに優しい人、やっぱりなかなかいないよね……


「イヤ…いいよ桜土君。今日やろう?音楽室空いてるよね?」


桜土君の謝罪を遮り、“気にしないで”という意味を込めて笑って言った。