海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

「え!?でも私まだ……「頼む………言いたいんだ」」


オレの雰囲気に圧されたのか、腕の中で海は黙り込んだ。


コクンと頷いたのを確認して、ゆっくりと口を開く。


海の体は微妙にカタカタと震えていた。


「海……オレお前と音楽祭出るって決めてから過ごしたこの数週間…スッゲェ楽しかった。毎日が新鮮で………ピアノ弾くのがもっと好きになった」


オデコ同士がくっつきそうな程顔を近づけると、“ヒャア……ッ”と目を回す海。


オレの目もグルグルと回りそうだった。


「努力のかいあって音楽祭優勝出来て、オレも嬉しい。けど」