混乱で目を回してると、誰かに手首を掴まれた。


ア、アレ?


この感触、さっきも―――…


「オレちょっと海に用あるんだ。だから質問はまた後でな」


私の手首を掴んだのは、一緒に取り囲まれた卓磨君。


卓磨君は私の手首を掴んだまま、私を教室の外に連れ出した。


「へっ!?た、卓磨君どこ行くの!?」


「どっか。言ったろ?話したい事があるって。海もオレに話あんだろ?」


あっ…


そうだ……私卓磨君に“優勝出来たら話したい事がある”って言ってたんだった………


思い出した途端緊張が体の中にまた出現して暴れ始める。